【テキスト分析】バカの壁(読書メーター)
- zuhiro
- 2018年12月29日
- 読了時間: 2分
今回も、本のレビューを対象にテキスト分析を行うことで、
本の概要や、反響の大きい部分を調べていこうと思います。
今回はベストセラーと聞いて自分が真っ先に思い浮かぶ本の一つ、
2003年のベストセラー、養老孟司『バカの壁』を取り上げさせていただきます。

読書コミュニティサイト、読書メーターでの
レビューをスクレイピングして収集。
https://bookmeter.com/books/564950
スクレイピングにはExcelVBAからSeleniumを利用して行いました。
収集したファイルをKHCoderで処理し、
多次元尺度構成法でグラフ化しました!
収集したレビューの数は1527件。
結果は以下になりました。

それぞれの語句が使われている文脈一覧を見ることができる
KWICコンコーダンスも見ていたところ、
下記のレビューが多く書かれているようです。
・現代は身体について省みられることが少なくなっている。個性は脳ではなく、身体的なものに宿る(中央右赤色)。
・一元論に陥り、二元論で考えられないことが「バカの壁」(真ん中水色)
・人の行動はy=axで表せる、物事への興味を表す係数(a)の部分が大事(下部灰色)
・「情報」が変わらないのに対し、「自分」は日々変わっていくもの(中央やや下、黄色)
・思考停止になり、相手との壁をつくるのではなく、相手や共同体の「常識」を知り、身につけること(右側ライム色)
何かのノウハウが書いてあるのではなく、小説でもなく、
思想的な本なので書かれるレビューも抽象的なためか、
取り出されるワードがやや抽象的になりました。
そのため特徴的なトピックスをみつけるのが少し面倒でしたが
(取り出されているワードが他の文章の集合にも普遍的に頻出するものなのか、
今回の分析対象に特に頻出しているのかがわかりづらく、
KWICコンコーダンスをある程度読んでいく必要がある)、
なんとなく本で書かれている要点が浮かんできたように思います。
ただ、グラフ化した時点でもう少しわかるようにできるとよいと思うので、
グラフ化のやり方を考えていければと思います。
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